600万人が悩む びりびりジンジンは「神経障害性疼痛」だ
レントゲンなどでは異常がないのに、足腰、肩、首などの痛みやしびれに悩む人が増えている。それは「神経障害性疼痛(とうつう)」という神経の異常が原因の痛みかもしれない。国内に少なくとも600万人、慢性的な痛みを感じている人の4人に1人が、疑いアリとされている。
「人が痛みを感じる時は、痛みを伝える神経伝達物質が放出され、脳に伝わって痛みを認識します。神経障害性疼痛は、この伝達物質が出過ぎることで起こることがわかってきました。例えば、傷や病気は治ったのに痛みが残る、病気をきっかけに手足に痛みが出てきたなどというのは、痛みをつかさどる神経のメカニズムが正常に働いていないからです」
こう解説するのは、東京・豊島区のペインクリニック内科「寺田クリニック」の寺田壮冶院長だ。
代表的な例が、糖尿病だ。糖尿病になると毛細血管がダメージを受け、末梢(まっしょう)神経に血液や栄養がいかなくなる。結果、末梢神経自体も障害を受け、手足の先に「ビリビリ」「ジンジン」といった痛みやしびれが表れる。