糖尿病や直腸がんも 「夏バテ」ひどければ別の病気を疑うべし
三木院長が研修医時代に診た20代女性のDさんは、内科の検査結果で、重度の貧血が判明。
「最初は、『夏くらいから膝が痛い』と整形外科を受診したのです。膝のレントゲン検査では異常が見つからず、疲労感もあったので、内科に紹介されてきました」
20代女性の貧血は、珍しいことではない。しかしDさんは、さらなる検査で、貧血の背景に白血病があることが分かった。膝痛と白血病の関連性ははっきりしなかったが、「貧血は女性によくあるもの」とされていたら白血病の診断が遅れるところだった。
60代男性のEさんは「暑さがこたえる。夏バテでげっそりやせた」と訴えた。原因は、男性ではそう多くはない甲状腺機能亢進症(バセドー病)。新陳代謝が異常に活発になるので、疲労感、体重減少が見られ、暑さにも弱い。
「『夏だから』という思い込みが、重大病を見逃すことにつながりかねない。1カ月以上続くなら、一度病院で検査を」
特に、中高年男性では「過去に健診で高血糖を指摘された」という人は糖尿病が考えられる。顔色が悪く、フラつくなら、消化器系のがんかもしれない。また、眠気を伴う疲労感なら、睡眠時無呼吸症候群の疑いあり。
女性の貧血では、「なぜそうなったか」のチェックを。甲状腺機能亢進症にも要注意だ。