糖尿病や直腸がんも 「夏バテ」ひどければ別の病気を疑うべし
「暑さで食生活が乱れ、清涼飲料水や缶コーヒーなど糖が入っている飲み物をたくさん飲みがち。だから、夏は血糖コントロールが悪くなりやすい。Aさんは『今年の夏は暑くて何度も熱中症になりかけた』と話していましたが、それは糖尿病が進んでいたからかもしれません」
■暑さに弱いバセドー病
40代男性のBさんの受診理由は「夏バテがひどい」。細身の体形で、血圧が低く、顔色も悪い。採血すると、貧血だった。「そういえば、下血がある」とBさん。詳細な検査で、直腸がんが見つかった。
30代女性のCさんは「暑さでフラフラし、だるい」と訴えていた。よく聞くと、以前から貧血気味だという。生理の状態から、婦人科を紹介。貧血は、子宮筋腫の出血によるものだった。
「生理がない男性は貧血の頻度が少ない分、貧血が見られる時は重篤なケースが考えられます。消化管の出血で貧血を起こしていて、Bさんのように『がんだった』ということも。女性の場合は、疲労感やだるさの原因が貧血である場合は多い。ただ、調べると子宮筋腫など婦人科の疾患が見つかることもあります」