頭を打ってから発症まで時差 「軽度外傷性脳損傷」の基礎知識

公開日: 更新日:

 MTBIを知ったのは事故から4年目。「MTBI友の会」発足のニュースがテレビで流れていて、取り上げられていた症状がそっくりだった。Aさんはすぐ連絡を取り、紹介された病院でMTBIの診断を受けた。

■「MTBI」4つの問題点とは?

 友の会代表委員の佐曽利麗子さんが言う。

「Aさんのケースには、MTBIの4つの問題点が含まれています」

 まず、加害者が事故直後に救急車や警察を呼ばず、第三者の証言や正確な記録がない点。事故後、警察の実況見分が加害者だけの立ち会いの下で行われ、内容は加害者優位によるものだった。

 次に、整形外科を受診しており、脳神経の検査を受けていない点。

 さらに、事故直後(受傷時)には意識障害があっても、受診時には意識を取り戻しており、診断書に「意識障害なし」と書かれている点。

 そして、脳の画像検査MRIでは「異常が映りにくい」点。現在の日本の医療は画像診断偏重のため、患者の不調は認められず、詐病や精神的なものと決めつけられることも少なくない。ただし、画像検査の進歩は目覚ましく、事故当時は画像検査で異常なしでも、MTBIについて詳しい医師によって、新しい機器で検査を受ければ、異常が見つかる場合も出てきている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…