頭を打ってから発症まで時差 「軽度外傷性脳損傷」の基礎知識

公開日: 更新日:

 Aさんは、MTBIの診断と同時に病院で処方されるようになったてんかん薬で、意識喪失やけいれん発作は治まった。しかし、右側の視力、聴力、嗅覚、味覚の障害、右手を強く握れない、記憶力低下をはじめとする高次脳機能障害などを抱えている。

 それでも事故との関連性が認められず、補償は受けられていない。実は最近、最新のMRIによって脳の異常がようやく判明したのだが、「過去にさかのぼって、事故と関連があるとは認められない」という結果に至っている。

 私たちが知っておくべきは、「MTBI」という病気があること。軽度と病名に入っているが、「最初の意識障害が30分以内で治まる」という意味で、「症状が軽度」というわけでは決してない。

「いつでもだれにでも起こり得る問題として、一人でも多くの人に知ってもらい、予防してほしいのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  3. 3

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  4. 4

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  5. 5

    みのもんたさんが自身のスキャンダルで見せた“類まれな対応力”…明石家さんま、石田純一との共通点

  1. 6

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 7

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 8

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  4. 9

    維新は予算案賛成で万々歳のはずが…ゴタゴタ続きで崩壊へ秒読み 衆院通過の自民はニンマリ?

  5. 10

    松坂桃李「御上先生」第7話2ケタでV字回復へ 詩森ろばの“考えさせる脚本・演出”はTBS日曜劇場からの挑戦状