なぜ疲れるといびきをかきやすいのか
疲れた時ほど、いびきがひどい……。そんな経験がある人は多いだろう。
「池袋大谷クリニック」の大谷義夫院長によると、そもそもいびきとは睡眠中、気道の狭い部分を空気が通る時に起こる振動音。
「昼間の活動中は全身の筋肉が緊張していますが、夜は反動で体をリラックスさせる作用が働き、筋肉が緩みます。疲労している時は、
全身の筋肉とともに喉や舌の筋肉も緩みます。すると、空気の通り道が狭められ、振動音が大きくなるのです」
お酒を飲んだ時にいびきが大きくなるのも同じ理由で、アルコールが筋肉を弛緩させるから。喉の粘膜もむくむので、気道はより狭まりやすくなるという。
疲労やアルコールによっていびきが大きくなるのは、健康上問題なし。しかし、普段から異様に大きないびきをかく人は要注意だ。
「常にいびきが激しかったり、音に強弱があったりする人は、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。睡眠中に断続的に呼吸が止まり、脳や心臓に酸素が十分供給されず、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが倍増する恐ろしい病気です」