開腹手術経験者は要注意 「腹壁瘢痕ヘルニア」を医師が解説
臓器や組織が本来あるべきところから脱出するのがヘルニアだ。腹部ヘルニアでは鼠径ヘルニア(脱腸)の認知度が高いが、増えているのが「腹壁瘢痕ヘルニア」。詳しい医師に聞いた。
まずは、次の項目をチェックしてもらいたい。(1)開腹手術を受けたことがある(2)手術後の傷口がふくらみ、触ると柔らかい(3)徐々にふくらみが大きくなっている④特に強い痛みがある。
もし(1)~(3)に該当するなら、腹壁瘢痕ヘルニアを疑った方がいい。さらに(4)に該当するなら消化器外科などを受診すべき。強い痛みが継続する場合は、急いで病院に行かなければ命にかかわるかもしれない。
腹壁瘢痕ヘルニアは、主に手術を受けたところからお腹がふくらみ、徐々に出っ張ってきてしまう。
「飛び出たふくらみが赤ちゃんの頭の大きさほどある患者さんもいます」(国立病院機構千葉医療センター・山本海介外科医師)
ふくらみが大きい場合、患者が「食事で満腹感が得られない」「排便がしにくい」といった不調を訴えることもある。