著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

卵アレルギーでも「インフルエンザワクチン」は安全?

公開日: 更新日:

軽度の卵アレルギーであれば問題はない

 インフルエンザ予防にはワクチン接種が有効です。しかし、卵アレルギーを持っている人へのインフルエンザワクチン接種はアレルギー反応を起こす可能性があり、注意が必要といわれてきました。ワクチンの製造過程において、鶏卵を用いてウイルス培養を行っており、ワクチンにわずかながら卵成分が混入している懸念があるためです。ただ近年では、重度のアレルギーを持っていない限りは安全に接種できると考えられています。しかし、そうはいっても患者さんにとっては不安になることもあるでしょう。

 2015年12月8日の英国医師会誌電子版に「卵アレルギー患者に対する弱毒株生インフルエンザワクチンの安全性」を検討した論文が掲載されました。日本で用いられている不活化ワクチンではありませんが、やはり鶏卵を用いて製造されたワクチンで、卵成分がわずかに混入している懸念があるのは同じです。

 対象となったのは2~18歳の卵アレルギーを有する779人で、このうち34.7%が卵でアナフィラキシーという重度のアレルギー反応を経験したことのある人たちでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド