まだ多い誤解…医師指南「コレステロール」の正しい知識
②善玉は高くても問題ない?
低HDL-Cは脂質異常症の条件だが、一方で、高HDL-C(120mg/dl以上)も問題だ。
「HDL-Cが高い人も心血管病で亡くなる割合が多い。私の外来にも高HDLの患者さんがいらしていますが、高LDL-Cとは違い、高HDL-Cはほとんど治療法がありません」
適時、動脈硬化の検査を行い、進行している場合は動脈硬化を悪化させない生活改善を心掛け、場合によっては投薬治療を受ける。
③コレステロールが高い方が長生きという説もあるが、真相は?
「現在は一般的ではありません。衰弱や疾患で栄養状態が悪ければ、コレステロールが低くなり寿命が短くなる。こういった例が統計に入り、『高コレステロールの方が長生きだ』という説になったのでしょう」
④食生活の改善や運動は有効?
「それらではLDL-Cの数値が下がりにくい。LDL-Cが高い場合、体質も関係しているからです。食生活の改善や運動をやってみて、数カ月続けても数値が下がらなければ、薬物治療をスタートすべき。薬には副作用があるものの、異常高値、家系に心臓脳疾患の方がいる方はメリットとデメリットを考慮すれば、薬物治療によるメリットの方が大きいです」