「言葉が出ない…」 髙山善廣さんが脳梗塞体験を語る

公開日: 更新日:

 その後のこともよく覚えています。まず、血栓融解剤を点滴されて、頚椎のMRI検査をしました。筒状の検査器に吸い込まれながら、“火葬されるときってこんな感じなのかな”と思ったくらい冷静でした。検査後は、医師に「頚椎の損傷はないけれど、脳の血管が詰まっているので脚の付け根からカテーテルを入れ、詰まった血管を広げる手術をします」と言われました。

 運ばれるストレッチャーの上では、心配する関係者に右手でVサインを出したのですが、そのときはもう手だけではなく右半身が麻痺していた。手術室でモニターに映る自分の頭の中を見つつ、麻酔が効いて意識が遠くなっていきました。

「終わりましたよ」と起こされて、手術室から出ると心配そうな関係者の顔が見えました。“大丈夫”の合図のつもりで無意識に右手を上げたら、みんなが歓声を上げたのも覚えています。倒れてからわずか2時間での手術完了。3時間以内なら後遺症は最小限に抑えられるとあって、医師からは「強運ですね」と言われました。

 今から思えば、前兆はたくさんあったんです。倒れる1カ月前の試合で急に右足がカラ足を踏んだような感覚になったり、別の時には動悸もありました。でも、すぐに治るんです。それから、妙に日差しがまぶしくて、目の奥がチリチリしていました。当時、オゾン層の破壊が話題になっていたので、そのせいだろうなんて考えていたんですが、破壊されかけていたのは自分でした(笑い)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    スタンフォード大・麟太郎のメジャースカウト評価は課題山積…ド軍指揮官からも耳の痛いアドバイス

  2. 2

    大谷が2026年WBCを辞退する可能性…二刀流継続へ「右肘3度目手術」は絶対避けたい深刻事情

  3. 3

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  4. 4

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  5. 5

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  1. 6

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  2. 7

    巨人「助っ人野手の獲得下手」汚名返上できた納得の理由…今年はなぜ2人とも“当たり”?

  3. 8

    大阪府の8割の小売店でコメ品切れ発生だが…吉村知事「備蓄米放出しろ」が腑に落ちないワケ

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か