手術不能の肺がんに新薬登場 今後の治療はどう変わる?
ただ、2次治療を受ける患者は、1次治療の時より身体的ダメージを負っている場合がほとんど。効果が高くても、副作用が大きければ使いづらい。
「副作用は、日本人患者では発熱性好中球減少の頻度は上昇したものの、全体的にはドセタキセル単剤と比較して大差はありませんでした。QOL(生活の質)も、全体的にドセタキセルに新薬を上乗せした方が優位(QOLが高い)でした」
手術ができない進行・再発の非小細胞肺がんでは、今、最も注目を浴びているのが免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブだ。前述の通り、扁平上皮がんの治療では免疫チェックポイント阻害薬が今後「主役」になるとみられているが、非扁平上皮がんは「2次治療はドセタキセル+新薬(ラムシルマブ)が第一選択になる」と加藤医師は指摘する。
「免疫チェックポイント阻害薬は効く人には非常に効くが、効かない人には効かない。すぐに薬の効果が出ないと危険な状態になる患者には、免疫チェックポイント阻害薬の使用がためらわれる場合もあります。ドセタキセルや新薬は、免疫チェックポイント阻害薬よりも副作用の出現の様相がある程度予測でき、管理しやすい点も大きいです」
■非小細胞肺がんとは
肺がんは組織型で「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分類される。さらに、非小細胞肺がんは「扁平上皮がん」「腺がん」「大細胞がん」に分かれる。文中の「扁平上皮がん以外=非扁平上皮がん」は、腺がんと大細胞がんのこと。