即死レベルから11年 小西博之さんががんを受け入れるまで
今は、そんな唯一無二の“ネタ”を与えられたことに感謝しています。僕のこの体験が、今、がんで悩み苦しんでいる人の役に立てばと思って、病院や学校、お寺さんでも講演しています。
病気になると「泣いている場合じゃない。頑張らなきゃ」と思ってしまいますよね。でも、病気を受け入れるってそういうことじゃないと思うんです。男だって泣いていいし、それは全然恥ずかしいことではないし、どれだけ泣き言をならべたっていい。病気になったありのままの自分になることが、本当の意味で病気を受け入れることだと思います。そして、決して闘わないこと。“闘う”なんてストレスになることを目標にしたらあきまへん。
苦しかったら泣きましょ。僕は本当に涙もろくなりました(笑い)。
▽こにし・ひろゆき 1959年、和歌山県生まれ。1982年から3年続いたバラエティー番組「欽ちゃんの週刊欽曜日」(TBS系)で人気になり、以後、バラエティーやドラマで活躍。結婚、離婚の後、末期がんを克服して復帰した。その後、NHK大河ドラマ「龍馬伝」や「軍師官兵衛」に出演。俳優業の一方で、がんの体験を笑いと共に語る講演活動を年間100本以上行っている。