歌手・大江裕さん 「パニック障害」克服までを語る

公開日: 更新日:

 中学生の頃から、自分で老人ホームにお願いして歌わせてもらう機会をつくり、週末の予定は歌でびっしり埋まっていました。それが18歳で憧れの北島三郎さんの事務所に入り、すぐデビューですから、毎日仕事がうれしくて。キャンペーンで全国を飛び回り、1日3回公演なんてザラ。公演のない日は事務所に行って、サイン色紙を2000枚書く。これほど楽しい仕事はないと思っていました。

 それが、デビューして約2年、僕のことを「のろま大将」と呼んでいただけるようになった21歳の時です。祖父の地元、鹿児島・肝付でのコンサートで舞台に立ち、前奏に背中を押されて「さぁ、行くぞ」と1曲目を歌おうとすると、ゆっくり天井が回り始めたんです。急に心臓がバクバクして息ができず、そのまま後ろにひっくり返りそうになり、救急車で搬送されました。

 過呼吸と異常な心拍数。救急車に乗るときにお客さんや祖父の同級生たちが励ましてくれて……。僕にとっては記念すべき凱旋公演、いつもなら僕が元気を与えるはずなのに、自分の不甲斐なさに自己嫌悪に陥りました。

 病院で検査をすると異常なし。そのまま会場に戻りましたが、夜の舞台に立てるかどうか……。すると「ユタカ~! 大丈夫か?」と事務所の先輩、北山たけしさんが駆けつけてくれました。近くでご自身の公演を終えたばかりなのに、急きょ代わってくれたのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    元ソフトバンク「伊奈ゴジラ」の転落人生…淡路島で盗み84件総額472万円、通算5度目の逮捕

  3. 3

    大関・大の里すでに「師匠超え」の鋼メンタル!スキャンダル報道もどこ吹く風で3度目賜杯

  4. 4

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  5. 5

    テレ朝に“ナスD”超え「1億円横領」続々の過去…やりたい放題で解雇された社員のヤバい所業

  1. 6

    東洋大姫路・岡田監督が吐露「本当は履正社に再任用で残る予定で、母校に戻るつもりは…」

  2. 7

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  3. 8

    山下智久「正直不動産」映画化でひと儲け狙うNHKに「甘い」の声も…山P人気は下降気味

  4. 9

    レイズ看板選手「未成年への性的虐待容疑」で逮捕も…ドミニカは殺人も銃撃も「無罪放免」の実態

  5. 10

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在