患者負担も軽減 大腸がん検査は“内視鏡よりCT先”の時代
大腸内視鏡検査の最大の難点は検査前に2リットル近い液体の下剤や腸管洗浄剤を数時間かけて飲み、胃腸に残っている内容物を洗い流す必要があること。つらくて途中で吐く人もいて、下剤を飲めずに検査自体をあきらめてしまう人も少なくない。
「CT検査でも下剤は使いますが、その量はわずか。検査前日にレトルトパックの検査食を食べ、少量の造影剤と下剤を飲んでいただきますが、検査当日は下剤や造影剤は必要ありません」
■高齢者・障害者でもラクに受けられる
しかも、大腸内視鏡検査に欠かせない鎮痛剤や鎮静剤の注射は必要ない。お尻に炭酸ガス用のチューブを入れるが、大腸内視鏡検査のように大腸に穴が開くような事故もまずない。
「腸が長くて内視鏡検査が向かない人、下剤や腸管洗浄剤を大量に服用できない高齢者や女性、知的障害者の方でもCT検査なら問題なく受けられます。なにより、内視鏡では観察しづらい大腸のひだや曲がり角の裏などの観察に優れていますし、腹部のCT画像を撮るので、肝臓がん、胆嚢がんなど、その他の臓器の病変も分かります」