患者負担も軽減 大腸がん検査は“内視鏡よりCT先”の時代

公開日: 更新日:

 ちなみに、三井タワークリニックでは、これまでに大腸CTを100例以上行ってきたが、4例の大腸がんを見つけ、皆手術を終えたという。

「むろん、大腸CT検査には内視鏡より劣る点もあります。がんの疑いがあるときに、すぐに組織を採取したり、ポリープの切除ができず、改めて大腸内視鏡が必要になる点です。通常のCTより線量が少ないとはいえ、医療被曝も受ける。5ミリ以下のポリープや平らな病変を見つける能力は、内視鏡に比べてやや劣ります」

 とはいえ、被曝量は多くないし、大腸ポリープの8割は腺腫で、5ミリ以下の大腸ポリープはがんになる確率は極めて低い。大腸CT後に内視鏡検査が必要になるケースも1割に満たない。逆にいえば、多くの人はツラい内視鏡検査を受けずに済むのだ。

「造影剤でアレルギー症状が出る人、腎臓が弱っていて造影剤などを代謝できない人にCT検査はムリですが、そうでなければ先にCT検査を行い、それでも大腸がんの疑いが残れば、内視鏡検査を受けるのが良いでしょう」

 大腸がんCT検査は血便・便通異常などの自覚症状がある時は保険診療が適用され、約8000円程度(別途検査食代3000円)が必要となる。一方、健康な人が受ける健康診断や人間ドックでは、自由診療扱い。三井タワークリニックでは単独で4万円、人間ドックとの同時予約で3万5000円(税別、別途検査食代3000円が必要)だという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド