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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

肺がん手術を受けられる患者は意外と少ない

公開日: 更新日:

■男性には厳しい状況が続く

 2012年の1年間に見つかった新規患者は11万3000人ほど。女性1に対して男性2.1という割合です。また2014年の1年間の死亡数は約7万3000人、男性のほうが約2.6倍も多く亡くなっています。

 手術件数は2014年度の数字。開胸手術が約8000件だったのに対し、胸腔鏡が約3万9000件と、全肺がん手術の83%が胸腔鏡手術で占められています。

 肺がん手術を受ける人の大半は新規患者、しかも2度、3度と肺を切る人はほとんどいません。

 もっとも注目すべきは、新規患者数に対して手術件数が少ない点です。2014年度の新規患者数は、過去の増加率から計算して男性約8万人、女性はほとんど変わらず3万6000人、合計11万6000人と推計できます。すると実際に手術を受けた(受けることができた)人は40%、しかも男性ではわずか35%にすぎなかった計算になります。

 残りの60%(男性では65%)の多くは、遠隔転移や体力的な理由などで、手術ができない状態だったことになります。

「肺がんは治る病気」と言われるようになりましたが、特に男性には、まだ厳しい状況が続いているのです。

【連載】明細書が語る日本の医療

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