著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

早期ではほとんど症状が表れない 食道がんの知識と生存率

公開日: 更新日:

 某社営業部長のSさん(56歳)は、1日にたばこ40本、酒は毎晩の付き合いでビールに始まり、ウイスキー、日本酒と続き、深夜0時すぎの帰宅は当たり前。そんな生活がもう20年以上続いているとのことでした。夜になると昼の穏やかさとは違って豪快になり、「自分は肺がんで死ぬんだ」とよく口にしていたそうです。

 ある年、春に行われた会社の健康診断では、胸部エックス線写真には問題なく、肝機能異常を指摘されました。しかし、毎年のことで酒が原因だろうと考え、その後は診察を受けませんでした。ただ、秋になって、「声がかすれる」「食事がつっかえる」といった症状を訴えて来院されたのです。

 体重は10キロ減り、流動物しか食べられなくなっていましたが、たばこと酒はやめられないようでした。むしろ「酒でカロリーを取っていた」と話されます。

 そんなSさんを診察した際、左頚部に3センチ大のリンパ節が触れました。私はその硬さ、形から、すぐにがんの転移であることを確信しました。

 案の定、内視鏡検査で上部食道にがんが見つかり、入院となったのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  4. 4

    薬物疑惑浮上の広末涼子は“過剰摂取”だったのか…危なっかしい言動と錯乱状態のトリガー

  5. 5

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  1. 6

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  3. 8

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  4. 9

    松田聖子は雑誌記事数32年間1位…誰にも負けない話題性と、揺るがぬトップの理由

  5. 10

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ