著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

一人っ子や祖父母同居の子供は肥満になりやすい

公開日: 更新日:

 小児期の肥満には「食習慣」や「運動量」などさまざまな生活習慣や社会的環境が関与していますが、「同居している家族の構成」もその大きな要因であるという指摘があります。

 一人っ子の家庭や、祖父母と同居している子供では、そうでない子供に比べて食習慣や運動量が大きく異なる可能性があるからです。ただ、家族構成が小児期の体格に与える影響は、子供の年齢とともに変化する可能性がありますし、日本人での研究報告は限定的でした。

 そんな中、「プロスワン」という有名な科学誌に2017年4月17日付で、「家族構成と子供の体格」について検討した研究論文が掲載されました。

 この研究は平成13年1月10~17日及び7月10~17日に日本で出生した4万3046人を解析対象としたものです。2歳半~13歳の子供の身長/体重データを用いて、同居する祖父母あり/なしと、同居する兄弟あり/なしを比較して、年齢ごとに肥満のリスクを検討しています。

 その結果、同居する兄弟がいない子供では、そうでない子供に比べて8歳以上で肥満のリスクが統計的にも有意に増加することが示されました。特にリスクが高かったのは、男児では11歳で1・87倍、女児では10歳で1・75倍でした。また、祖父母と同居している子供では、そうでない子供に比べて5歳半以上で肥満のリスクが統計的にも有意に増加することが示されました。特にリスクが高かったのは、男児では13歳で1・54倍、女児では11歳で1・51倍でした。

 この研究では、子供の生活習慣改善においては、成長に伴う家族構成の変化を考慮することも重要であると結論されています。

【連載】役に立つオモシロ医学論文

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 3

    立花孝志氏の行為「調査要求」オンライン署名3万6000件に…同氏の次なるターゲットは立憲民主党に

  4. 4

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    斎藤元彦知事に公選法違反「買収」疑惑急浮上しSNS大炎上!選挙広報のコンサル会社に「報酬」か

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議