一人っ子や祖父母同居の子供は肥満になりやすい
小児期の肥満には「食習慣」や「運動量」などさまざまな生活習慣や社会的環境が関与していますが、「同居している家族の構成」もその大きな要因であるという指摘があります。
一人っ子の家庭や、祖父母と同居している子供では、そうでない子供に比べて食習慣や運動量が大きく異なる可能性があるからです。ただ、家族構成が小児期の体格に与える影響は、子供の年齢とともに変化する可能性がありますし、日本人での研究報告は限定的でした。
そんな中、「プロスワン」という有名な科学誌に2017年4月17日付で、「家族構成と子供の体格」について検討した研究論文が掲載されました。
この研究は平成13年1月10~17日及び7月10~17日に日本で出生した4万3046人を解析対象としたものです。2歳半~13歳の子供の身長/体重データを用いて、同居する祖父母あり/なしと、同居する兄弟あり/なしを比較して、年齢ごとに肥満のリスクを検討しています。
その結果、同居する兄弟がいない子供では、そうでない子供に比べて8歳以上で肥満のリスクが統計的にも有意に増加することが示されました。特にリスクが高かったのは、男児では11歳で1・87倍、女児では10歳で1・75倍でした。また、祖父母と同居している子供では、そうでない子供に比べて5歳半以上で肥満のリスクが統計的にも有意に増加することが示されました。特にリスクが高かったのは、男児では13歳で1・54倍、女児では11歳で1・51倍でした。
この研究では、子供の生活習慣改善においては、成長に伴う家族構成の変化を考慮することも重要であると結論されています。