堤下も発症 長引く「じんましん」と手を切れる新薬の効果
2年目で治癒率は14%弱、5年目で治癒率は28%弱。大方の患者は“出ては消える”を繰り返し、打てる手といえば、抗ヒスタミン薬を飲むか、保険適用外で副作用のリスクのある治療に臨むかしかない。
製薬会社が行った調査では、多くの患者が「症状が完全になくならない」「根治しない」点に不満を抱えていた。
「生活の質は著しく下がり、イライラ、ストレス。眠りを妨げられる、集中できない、などの声があります」
■従来薬とは違うメカニズム
今回、承認された新薬「オマリズマブ(商品名ゾレア)」は、従来薬とは違うメカニズムで作用する。血中のIgEと呼ばれる物質と結合し、IgEが皮膚炎症の原因となるマスト細胞と結合できなくする。炎症を根本から抑え、じんましんを起こらないようにするのだ。
日韓合同の臨床治験では、4週間ごとに300ミリグラムの投与を3回行い、12週間の追跡調査を行った。
「結果は、症状がまったくなくなる完全寛解が35%、コントロール良好が57%。どの薬を使ってもよくならない人が対象なので、明らかな効果が見られました」