0期なら100%治る「難治膵臓がん」は血液検査で早期発見
全国がん成人病センター協議会の調査では、ステージ1の症例は234人ですが、ステージ2は789人と3倍超に。ステージ3は751人でほぼ横ばいですが、ステージ4は1941人にハネ上がります。5年生存率が1.4%のステージ4が最多。進行した状態で診断される人が多いのが問題なのです。
しかし、膵臓がんの大きさが2センチ以下で、周りへの浸潤やリンパ節への転移がないステージ1Aなら5年生存率は約60%。治療成績は以前より向上。さらにがんが膵管上皮に限局するステージ0なら、ほぼ100%が期待できます。
難治がんでも、早期に発見できれば治療成績は悪くないどころか、もっともっと人生を楽しむことは十分可能です。そういう医療レベルになっているのも事実。早期に発見できれば、完治も十分可能なのです。
そのためには、どうするか。現状1割に満たないステージ1で見つかる人を増やすことが大きなポイント。人間ドックなどでは、「CA19―9」が膵臓がんのマーカーとして使われることがありますが、早期の検出精度はそれほど高くありません。
新しいマーカーは、これまでの研究から精度が高そうです。大規模臨床研究の結果を受け、広く膵臓がん検診の有効性が認められたら、難治性の膵臓がんも“治る時代”が訪れるかもしれません。