著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

かっけ克服の転機になった島薗順次郎のあいまいデータ

公開日: 更新日:

 さらに鈴木梅太郎が精製抽出した抗かっけ物質「アルコホル」エキス、「オリザニン」の注射を最重症のかっけ患者10人に服用、あるいは注射したところ、7人が改善し治癒に向かいます。ただし3人には効果がないという結果でした。

 そのため島薗の論文の結論は「脚氣ニ對シテ『ヴィタミン』ガ效力アリヤ否ヤノ重大問題ヲ解決スルニハ、其例尚少數ナルヲ以テ此ニハ未ダ論決スルニ至ラズ、更ニ經驗ヲ重子ントス」というあいまいなものになってしまいました。

 しかし反対派の中心にあり、巨大な権力をふるっていた青山の死後、こうした無視された明確なデータと比べるとあいまいなデータがかっけ克服の転機になっていくのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  2. 2

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  3. 3

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 4

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  5. 5

    “年収2億円以下”マツコ・デラックスが大女優の事務所に電撃移籍? 事務所社長の“使い込み疑惑”にショック

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…

  3. 8

    日本にむしろ逆風…卓球王国中国で相次ぐトップ選手の世界ランキング離脱と進む世代交代

  4. 9

    「(来季の去就は)マコト以外は全員白紙や!」星野監督が全員の前で放った言葉を意気に感じた

  5. 10

    迷走するワークマン…プロ向けに回帰も業界では地位低下、業績回復には厳しい道のり