「卵円孔開存」は術後の感染症心内膜炎リスクを高める
感染性心内膜炎は早期の診断・治療が重要なので、定期的な心臓検査も大切です。
自己管理のほかに、「卵円孔開存」という生まれつきの心臓の構造が、感染性心内膜炎の発症に関わっていることも分かっています。右心房と左心房の間に小さな穴=卵円孔が開いている状態をそう呼んでいます。
本来、卵円孔は出生時に閉じるものなのですが、中には閉じないまま成長するケースがあり、成人の15~20%が該当するといわれています。穴が大きくない場合は特に心配することはなく、多くの人は問題ありません。しかし、弁の交換をした患者さんは注意が必要です。
■かつては“無視”されていた
右心房と左心房の間に小さな穴があると、ちょっとした拍子で血液が行き来することになります。つまり、全身から右心房に流れ込んだ静脈血と、肺で酸素を取り込んで左心房に入った動脈血が少量でも混ざってしまうということです。静脈血は全身を巡ってから戻ってくる血液なので、体内に侵入した細菌が入り込んでいる場合があります。その細菌が卵円孔を通して左心房に入り込み、弁に取り付いてしまうリスクがアップしてしまうのです。