「卵円孔開存」は術後の感染症心内膜炎リスクを高める
心臓の弁を交換する手術を受けた患者さんは、術後に感染性心内膜炎を発症するリスクがアップします。心臓を覆っている心膜や心臓の中にある弁に細菌が取り付いて感染を起こす病気で、血液内に侵入した細菌が交換した弁に感染巣を作りやすいのです。
もちろん、弁を交換しても、感染性心内膜炎を起こさない患者さんもたくさんいます。それには、術後の自己管理がきちんと行えているかどうかが大きく影響してきます。10~20代のころに手術を受けた患者さんの中には、免疫が弱い状態になってしまう場合もあるため、日頃のケアが重要になるのです。
感染性心内膜炎を引き起こす細菌は、風邪や外傷などがきっかけで血液内に侵入して弁に感染巣を作るケースもありますが、とりわけ虫歯や歯科治療で注意が必要です。まずは、日頃から正しいブラッシングで歯磨きを行うなど、口腔内の衛生を保つ必要があります。定期的に歯科医を受診して虫歯をチェックしたり、虫歯があるときは早い段階で歯科医に相談し、心臓手術の経験があることを伝えなければなりません。
また、アトピー性皮膚炎や膠原病などで強いステロイド剤を使用している場合にも、皮膚の感染免疫が低下することから、外傷で容易に細菌が血中に入りやすい状況になります。治療中の人は特に注意が必要です。