放置で10もの弊害が…「味覚障害」は独居老人ほど要注意
厄介なことに、味覚障害に気付きにくい。
「特に一人暮らしの人や、個食・孤食が日常的な人は、指摘してくれる人がいないので自覚しづらい」(平澤医師)
■知らないうちに高塩分食に
そもそもこういった人は好みのものしか食べず、偏った食事から亜鉛不足になりやすい。
そうでなくても、現代はインスタント・レトルト食品やファストフード主体の食生活が普通になっている上、食材そのものに含まれる亜鉛量も減っている。現代は亜鉛が摂取しにくい環境なのだ。「自分は大丈夫」と思わず、塩や砂糖をなめるなどして、「味が分かっているか」を一度はチェックした方がいい。
味覚障害で来院する人はどういう症状を感じているのか? 兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科には年間200~250人の初診患者が訪れる。同科の任智美医師によれば、症状はさまざまだ。
たとえば「味がしない、薄い」「いつもと味が違う」「何も食べていないのに口の中が苦い」「甘味だけが分からない」「塩味がきつい」「塩味と酸味を間違える」「何を食べてもまずい」「口がネバネバする」「口の中にトゲがある」「口が乾く」など。