専門医が指摘 糖尿病で怖い「合併症」招きやすい人の共通点
糖尿病専門医で、「しんクリニック」院長の辛浩基氏は言う。
「合併症を発症してしまう患者さんは、『治療を始めるのが遅かった』という人が多い。糖尿病は初期の段階ではこれといった自覚症状が表れないため、治療をせずに様子を見る人が多く、何らかの合併症が発症した段階で診察を受けにくるケースが少なくありません。そこから治療を始めても、深刻な合併症に至ってしまうことが多いのです。糖尿病には『レガシーエフェクト』(遺産効果)があります。イギリスの大規模調査で明らかにされたもので、早い段階から治療を始めてしっかり血糖をコントロールすれば、将来的に合併症を起こさずに長生きできる確率がアップすることがわかっています」
また、治療を始めても、多忙で面倒だからと中断したり、血糖がそこそこコントロールできた段階で安心して、治療をやめてしまう人も合併症を招きやすくなる。
血糖値が安定していた患者が顔を見せなくなり、1年後に再び受診に来たときは眼底出血を起こして網膜症が進んでいた。
糖尿病と診断されてから15年放置した結果、腎不全の一歩手前で病院に運ばれ、人工透析を1回5時間、週3回ペースで受けることになった患者もいる。