著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【総合感冒薬】処方薬はわずか9種類 抗生物質も含まれず

公開日: 更新日:

 解熱鎮痛消炎剤との関連で、今回は総合感冒薬(風邪薬)の処方量を見ていくことにしましょう。医学的には上気道(鼻から喉まで)の、急性の炎症を「風邪症候群」と呼んでいます。さまざまなウイルスや細菌によって引き起こされますが、インフルエンザは風邪症候群には含めず、独立した感染症として扱われています。

 風邪の8割以上はウイルス性。ウイルスに抗生物質は効果がありません。それに総合感冒薬には、抗ウイルス剤も抗生物質も入っていません。つまり、風邪を治す効果は全くないのです。しかし解熱鎮痛消炎剤を中心に、症状を緩和する成分が入っています。風邪自体は放っておいても数日中に治ります。それまでの不快感を少しでも軽くしようというのが総合感冒薬の役割であり、存在理由であるわけです。

■処方薬には必要最小限の薬剤しか入らず

 とはいえ、ちょっとした風邪で医者に行く人は少ないですし、風邪薬なら近所のドラッグストアで気軽に買えます。それもあってか、医者が処方できる風邪薬は、<表>に載せた9種類に限られています。しかも処方量はわずかで、全部で約4億1600万錠に過ぎません。このうちPL配合顆粒(幼児用を含む)とペレックス配合顆粒(小児用を含む)が先発薬、その他がジェネリックです。しかし薬価にほとんど差はありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」