骨を丈夫にするだけじゃない ビタミンDの驚くべき実力
「病気になるのは、それを防ぐ遺伝子のスイッチ役の不足とも考えられるのです。ただ、健康な人はサプリは必要ありません。研究で使うのは、ビタミンD以外の要素で結果が左右されないためです。通常は30分程度外出し、魚を多めの食生活にすれば十分です」(浦島教授)
国立環境研究所などによると、食事なしで必要量を得たければ12月の晴天の正午から顔と両手の甲だけ日に当てた状態で、茨城県つくば市で22分、札幌市で76分かかる。
食事はどうか。
「日本人の食事摂取基準(15年版)」(厚労省)では1日の目安量は12歳以上で5.5マイクログラム。100グラム当たりのビタミンDの含有量は紅サケ33マイクログラム、干しシイタケ16.8マイクログラムなどだから、日頃の食生活から考えると「平成27年国民健康・栄養調査」(同)が男女とも目安量を超えるとしたのも無理ない。
しかし、欧米では5~15マイクログラムを勧めており、冬は多く取る必要がある。
ちなみにビタミンDの過剰摂取は体中にカルシウムを沈着させ、腎機能などを低下させる。
しかし、これはサプリの大量摂取以外では起こらない。意識し過ぎる必要はなさそうだ。