日本で研修を受けている外国人医師は母国の「これからの医療」を支える人材になる
そうなったとき、いまの日本で学んだ医療が役に立つのです。
外国人医師の多くは、母国の大学の医学部を卒業してから日本に研修を受けに来ています。自国で医師免許取得後に臨床経験を積んでから来る人もいます。そのほとんどは、自国に設備がないために大学院で研究したり、高いレベルの臨床を学んだりして医学博士を取得するために来ているといえます。
受け入れ人数の枠は設けておらず、来るものは拒まずという方針です。中には、母国の大学の医学部を卒業してから日本の医師国家試験に合格して当院で研修を受けている外国人医師もいますが、ほとんどはクチコミでやってきます。かつて当院で研修を受けて母国に戻った医師から紹介されてくるパターンです。
もちろん、日本語はしっかり話せます。N1~N5の段階がある日本語能力試験で、「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる」レベルのN3を受け入れの基準にしているからです。
研修の期間は長い場合で5年、短い場合は1年ほどで帰国します。母国から学費などの援助を受けて来ている場合はひとまず1年で帰ったあと、再び来日して1年……といったサイクルを繰り返す勤勉な医師もいます。