排ガス汚染された空気の中でのジョギングは肺に悪い?
健康のために、ウオーキングやジョギングを習慣としている方は多いと思います。東京では皇居周辺などで毎日たくさんの人が、思い思いに走ったり歩いたりしています。
最近は高齢者のランナーも目立ちます。それを見ていていつも疑問に思うことは、都心のような排ガスなどで汚染された空気の中で、運動をすることが本当に健康に良いのだろうか、ということです。
そんな疑問に答えを与えてくれるような研究結果が、今年のランセットという一流の医学誌に掲載されました。イギリスで60歳以上の心臓や肺の病気を持っている人と、病気のない人を登録して、交通量の多い道路と公園の2カ所で、2時間のウオーキングをしてもらいます。
公園でのウオーキングでは病気のある人もない人も、同じように呼吸機能が改善するような効果がありましたが、交通量の多い道路でのウオーキングでは、その効果は全体に低下していました。
更に肺の病気のある人では、道路でのウオーキングにより、咳や痰、息切れなどの悪化が見られました。つまり、ウオーキング自体には呼吸機能を改善するような働きがあるのですが、空気が排ガスなどで汚れていると、その効果は減弱しますし、肺に病気のある人では、かえって悪い空気を吸い込んで、病状が悪化することもあるようです。くれぐれもウオーキングは空気の良いところでするようにして下さい。