超音波内視鏡下治療では検査・治療とも全国トップクラス

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土屋貴愛講師 東京医科大学病院消化器内科(東京都新宿区)

 先端に超音波(エコー)装置が付いた内視鏡を「超音波内視鏡(EUS)」という。通常の内視鏡と同じように口や肛門から挿入して、消化管の壁越しにエコーを当てて隣接する臓器などを高解像度で超音波観察ができる。そのため直接内視鏡で観察することができない胆のう、胆管、すい臓の精密検査には欠かせない機器だ。

 同院で胆・すい領域を専門とする土屋貴愛講師(写真)はEUSの名手。検査のみならず、難易度の高いEUSを用いた治療を得意とする。EUSの特徴をこう言う。

「エコー画像はCTよりも分解能が高く、がんなど1~2ミリの病変も分かります。病変の硬さもカラー表示され、造影剤を使えば血流の評価もできます。それに内視鏡の先端から針が出て、組織を採取する生検もできる。針を刺せるということが大事で、それによって治療にも使えるのです」

 EUSを用いた治療は、主にすい臓や胆のう周囲にたまった液体などを排出させる「ドレナージ」。例えば急性すい炎の合併症で、すい臓が溶けて液状化した水が袋状にたまる「すいのう胞」ができる場合がある。水は胃と密着してたまっているので、EUSで胃の方から穴を開け、ステント(プラスチックや金属でできたチューブ)を留置して水を胃に排出させる。胃に開けた穴からは、すいのう胞内の壊死物質を除去することもできる。従来なら開腹手術が必要になる病気だ。

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