超音波内視鏡下治療では検査・治療とも全国トップクラス
■手術時間は20分~30分
また、すい臓がんになると、がんの場所によって胆汁が流れる胆管がつぶされてしまう場合がある。すると胆汁が血液中に逆流して黄疸が発生する。その胆汁の流れを開通させる胆管ドレナージもEUSで行うことができる。
「通常、胆管ドレナージは内視鏡で閉塞した胆管内にチューブを通しますが、がんの進行でそれができない場合には、体の外から針を刺してチューブを留置する『経皮経肝胆管ドレナージ』が行われます。しかし、体外に排出させた胆汁をためるバッグを付ける必要があり、腹部の痛みや感染に注意しなくてはいけません。管理が大変です。チューブ留置のために2~3週間の入院が必要となります。一方、体内に排出させる『超音波内視鏡下胆管ドレナージ』はその必要がなく、ステントで肝外胆管と十二指腸をつなぐ方法と肝内胆管と胃をつなぐ方法があります」
EUSを用いた治療は胃カメラのときと同じで鎮静剤を使い、所要時間はどれも20~30分程度。入院期間は1週間くらいで、低侵襲、術後のQOLも高いので、がんであれば早く本来の治療に専念できるのが大きなメリットだ。