3月は自殺最多 独身の中高年男性は「4つのリスク」に注意
「2007年の国民意識調査によると、今までの人生で少なくとも1回以上本気で自殺を考えたことがある人は調査対象者の2割に達しています。しかし、実際に自殺願望を行動に移す人は多くはありません。自殺行動を起こすハードルが高いからです。例えば死に対する恐怖や自分を傷つけることへの罪悪感、痛みへの恐れ、将来への希望や期待、仕事への責任感や家族への配慮などです」
逆にいえば、独身の中高年男性にとって3月は自殺のハードルが低くなりがちだということだ。
「自殺の危険因子は“自殺未遂歴”“うつ病などの精神疾患の既往症”“未婚・離婚・死別に対するサポート不足”“地位の失墜などの喪失体験”のほかに“強度の怒り”があります。他者への激しい怒りがあり、その抗議の意味を込めて自殺する場合もあります。中高年サラリーマンにとって3月は転勤や異動による将来の不安や、定年や役職定年などの地位の喪失感などが重なり、心が不安定になりがちです」
とくに一日の大半を会社で過ごす仕事好きな独身男性は会社がすべてとなりがち。異動や転勤をキッカケに「自分の居場所がない」「誰も自分を必要としていない」などと思い、所属感が低くなり、「自分がいない方が周囲が幸せ」などと考えてしまう場合がある。