手術用ガーゼの置き忘れを防ぐ新しい技術が登場
ガーゼの置き忘れを防止するため、いまはX線で確認できる糸を織り込んだタイプのガーゼが広く使われています。レントゲンに写るため、術後に撮影を行えば置き忘れがないかどうかを確認できますし、ガーゼの枚数が一致しなかった場合は、どこに置き忘れたかをすぐに特定できます。
■一度だけ縫合針を置き忘れたことが
さらに、最近はガーゼ一枚一枚にGPSチップを埋め込んだタイプも登場しました。スマートフォンのGPS機能のように、モニターでかなり狭い範囲までガーゼがどこにあるのかを確認できます。置き忘れを防止するための最新の技術といっていいでしょう。
手術では、ガーゼ以外にもメスや鉗子などの手術器具を置き忘れるミスが起こります。以前、再手術のために来院された男性患者さんでこんな置き忘れがありました。術前にCT検査をしてみると、小さな川エビのような影が写っていて「なんだろう?」と思っていたのですが、手術を行ってみると小さなプラスチック製の鉗子だったのです。かつて受けた手術で置き忘れたものでしょう。プラスチック製だから体に悪影響はありませんでしたが、もしも金属製だったら危険だったかもしれません。