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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

肥満の定義はBMI=25以上 では日本人は太り気味か?

公開日: 更新日:

 日々の外来診療の中で、痩せを気にする人に比べ、太りすぎを気にする人のほうが圧倒的に多いのですが、そんなに太っては見えない人も案外もっと痩せたいと思っているようです。

 これまで取り上げてきた成人以降の糖尿病肥満と強く関連しています。糖尿病になったら大変、痩せなくちゃというのは、その通りです。

 それでは一体どれくらいの状態を肥満と呼ぶのかから見てみましょう。肥満度を表す最も一般的な指標として、ボディーマスインデックス(Body Mass Index:BMI)というものがあります。これは、体重(㎏)を身長(m)の2乗で割ったもので、国民栄養調査では、25㎏/㎡以上を肥満と定義しています。

 このBMIの平均値は男性で23・8、女性で22・6と報告されています。つまり平均的な日本人は太っていないといっていいでしょう。さらに4分位といって25%ごとの区分を見てみると、男性では23・4以下が下位の25%に当たり、24・4以上が上位の5%に当たります。つまり全体の半分の人は23・4から24・4という狭い範囲に入るということが分かります。女性も男性よりはやや範囲が広くなりますが、22・1から23・3の間に全体の半分の人が入ります。

 肥満度の指標であるBMIは、平均が肥満の基準である25を男女とも1以上下回り、さらに男女とも22~24前後の25未満の狭い範囲に50%が当てはまる健康的な体格といえるのです。

【連載】生活と健康 数字は語る

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