「病気だ」という認識が大事 医師は客観的なデータ提示を
開業医の先生から患者さんが紹介されてきた時、まず行うのが「喘息は病気である」という認識を持ってもらうことです。
多くの患者さんは、これまでの主治医から「症状はどうですか?」といった聞き方をされています。長年、コントロール不良の喘息を抱えていると、息苦しい状態が“当たり前”になりがちです。そのため、主治医からの質問に対し「いつも通りです」「悪くありません」と答えがちです。
患者さんにとっては、「いつも通り=喘息でつらいことはまったくない」という意味ではないのですが、主治医側からすると、「うまくコントロールできている=今の治療で問題がない」との認識になってしまいます。これでは、治療内容や処方薬が、何年、十何年とずっと同じまま、となってもおかしくありません。
私は、まず生活環境などに関する問診を十分に行い、喘息を悪くさせる環境因子を除去できるように指導を行います。それに加え、呼吸機能検査(スパイロメトリー)、気道過敏性試験、気道抵抗測定、血液検査、胸部CT検査など、患者さんの症状、年齢、目的に応じて複数の検査を行います。