薬の副作用で精子が膀胱に逆流 不妊症の原因になる場合も
「そんなこともあるの!?」と、思わず驚いてしまうような、とりわけ珍しい副作用を紹介します。
「逆行性射精」という症状をご存じでしょうか。射精障害の一種で、読んで字のごとく通常であれば尿道から外に出る精液が、膀胱に逆流する症状です。
このような現象が副作用として起こるのは、正常なら射精時に閉じているはずの膀胱の一部(膀胱頚部)が薬の影響で開いたままになってしまい、精液が膀胱に逆流してしまうからです。
副作用以外での原因としては、前立腺肥大症に対する前立腺手術、糖尿病、脊髄損傷、一部の手術(腹部や骨盤内の大きな手術など)などが挙げられます。
逆行性射精の副作用が報告されている代表的な薬に「ユリーフ」(シロドシン)があります。選択的α1A受容体遮断薬に分類される薬剤で、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療に用いられています。前立腺に主に存在するα1A受容体サブタイプを選択的にブロックすることにより、前立腺の緊張を取り除いて尿道抵抗を改善し、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する薬剤です。