<2>手術中の出血に差はないがO型は血液凝固因子が薄い
今世紀に入ってから、ABO式血液型と病気の関係が次々と明らかになっています。しかも一連の研究を通して、O型の特殊性が分かってきました。O型と非O型(A型・B型・AB型)では、病気の感受性がまったく逆になっているのです。その中でも代表的な特徴のひとつが、血液の固まりやすさです。今回の東京医科歯科大医学部の研究でも、O型と非O型では、外傷性出血死などの死亡率に、大きな差が見られました。
血液中には、13種類の「血液凝固因子」が溶け込んでいます。出血の際、血液を固めて止血する役割を担っています。ところがO型血液では、その中のフォン・ウィルブランド因子(VWF)と呼ばれる成分が、非O型と比べて2割から4割も少ないのです。そのためO型は、非O型と比べて血液が固まりにくく、出血すると止まりにくいと考えられています。医科歯科大の研究は、まさにこれを裏付ける結果になりました。
ところが最近の研究で、O型では、第Ⅷ因子と呼ばれる血液凝固因子も少ないらしい、ということが分かってきました。第Ⅷ因子は血友病に関わる成分です。