<2>手術中の出血に差はないがO型は血液凝固因子が薄い
言うまでもなく、血友病とは、出血が止まりにくくなる、先天性の病気です。血友病に関係する血液凝固因子は、第Ⅷ因子と第Ⅸ因子の2種類です。これらが不足ないし活性が弱いと、血友病を発症してしまいます。第Ⅷ因子が足りないと「血友病A」、第Ⅸ因子が足りなければ「血友病B」と呼ばれます(表参照)。
VWFは、血小板同士の接着を促しますが、他にも血液中で第Ⅷ因子を保護し、酵素で分解されるのを遅らせる働きがあるのです。O型血液は、VWFが少ないため、非O型と比べて血中の第Ⅷ因子が少なめになることが分かってきました。
もちろん少ないとはいえ、正常範囲内です。それに外科手術などでは、O型と非O型で出血に差はないといわれています。十分な出血管理がなされている通常の外科手術なら、O型がとくに不利になることはありません。
ただVWFと第Ⅷ因子という、2種類の血液凝固因子が薄いため、事故などの緊急時には、O型のほうが止血に手間取って、失血死の危険が増すというわけです。