著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

健康に悪いと分かっているのになぜお菓子を食べ過ぎるの?

公開日: 更新日:

 ついつい食べ過ぎてしまうスナック菓子。ケーキや菓子パンは別腹という人も多いでしょう。こうした食品は糖質脂質をどちらも多く含んでいて、カロリーも多い。食べ過ぎれば当然、肥満の原因となります。健康には悪いと分かっているのに、ヒトはなぜ食べ過ぎてしまうのでしょうか?

 実は脳にその原因があるのではないか、という研究結果が、「セル」という権威のある科学誌の姉妹誌に最近発表され話題になっています。人間を含む哺乳動物は、食べ物のカロリーを常に計算していて、必要なカロリーだけを取るように、食事量を調節する本能を持っています。この時に働いているのが、脳の「中脳辺縁系」という部分なのですが、ここは脳内報酬系といって、薬物やたばこなどの依存症にも関わっている場所なのです。

 ケーキなどの脂質と糖質を両方多く含む食品を見た時と、普通のパンなどの糖質が主体の食品を見た時とでは、ケーキなどを見た時の方が脳内報酬系が活発に働き、脳の中では同じカロリーの他の食品より、高く評価していることが分かりました。脳はこうした食品を魅力的に感じているのです。そのために、繰り返し食べることにより、脳は惑わされて、必要以上に食べ過ぎて肥満やそれに伴う病気の原因となるのです。

 お菓子やケーキは人間の脳にとって、離れられない恋人のような存在であるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース