著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

ゲノム編集を施した皮膚片移植で肥満と糖尿病にオサラバ

公開日: 更新日:

 皮膚移植で肥満症や糖尿病を治療する。そんな時代が近づいています。アメリカのシカゴ大学の研究チームが、ゲノム編集を施した幹細胞から作った皮膚片をマウスに移植し、食欲と血糖値のコントロールに成功した、と報告しています。

 まずマウスの皮膚から幹細胞を取り出します。次にクリスパーを使って、GLP―1というホルモンを作る遺伝子を挿入します。このホルモンは「痩せホルモン」とも呼ばれており、食欲を抑制することが知られています。さらにGLP―1は膵臓に作用して、インスリンの分泌を刺激します。この幹細胞から作られた皮膚片は、GLP―1を生産し続けるため、移植されたマウスは食欲が減り、血糖値も下がる、という仕組みです。

 高脂肪食で十分に太らせたマウスを、移植組とそうでない組に分けて観察したところ、移植組は体重が半分に減り、Ⅱ型糖尿病の特徴であるインスリン抵抗性も改善されたのでした。

 さらにヒトの幹細胞にゲノム編集を施した皮膚片を作り、マウスに移植したところ、やはり同様の結果が得られることが確認されたそうです。次はいよいよヒトに移植する臨床試験が期待されているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース