治療はしんどいが通常の急性骨髄性白血病なら約80%が寛解
「どんなことがあっても完全寛解に到達するんだ」
担当医チームは、患者さんを励ましながら緊張の連続で、精魂込めて一緒に闘います。つらい時期を目の当たりにしているだけに、完全寛解に入った時は大きな喜びです。医師としてもこのうえない喜びがあります。
昭和が終わる頃、私たちの施設の血液内科と私が所属した化学療法科(腫瘍内科)を合わせた学会発表で、「1施設で5年以上生きている急性白血病患者が11人いるのは日本で一番」と言われました。しかし、いまは違います。治療法、補助的な治療法などが進歩し、急性白血病の治療ができる施設ではたくさんの患者さんが治癒している時代になりました。
通常の急性骨髄性白血病だとしたら、寛解導入療法で約80%の方に完全寛解が得られます(その中でもいろいろなタイプによって異なります)。もし、白血病の治療だけで完治が難しい場合は造血幹細胞移植(骨髄移植)が行われます。
池江さんにとって、急性白血病になったことは本人でなければ分からないとてもとても大変なことですが、頑張ってほしい。報道によれば、池江さんは11日に「わたしは全力で生きます」と書き込まれていたようです。我慢せずに、遠慮せずに、つらいことを医療スタッフに伝え、そして乗り越えてください。