個別化栄養 遺伝子に即して食事を取ればやせられるのか?
では食事に由来する生活習慣病のリスクに、ゲノムは実際どのくらい関与しているのでしょうか。
この種の研究には、確立された方法があります。双子のデータを集めて解析するのです。一卵性のゲノムはまったく同じですから、同じ家庭(つまり同じ環境)で育っていれば、食事に対する感受性が同じはずです。あるいは片方が養子に出されていれば、異なる環境がどのくらい影響するかが分かります。
また二卵性の双子なら、ゲノムは50%一致しています。同様にして、同じ環境、違う環境において、ゲノムと体質がどのくらい関わっているかを調べることができるのです。
そこでアメリカやヨーロッパで大規模な研究が行われたのですが、期待に反して食事に対する感受性は、ゲノムからさほど影響を受けていないことが分かったのでした。ゲノムの影響は、高く見積もってもせいぜい50%です。では他に何が影響しているのでしょうか。