頚椎椎間板ヘルニア 治療3カ月で改善しなければ手術が必要
代わりに骨の首を以前と同じように動かすことができる金属製の専用器械(写真)を設置。手術した場所の動きが保たれるため、固定術よりも上下の椎間板にかかる負担が減り、新たな頚椎椎間板ヘルニアを起こしにくくなる。
「従来法と頚椎人工椎間板置換術、どちらもメリット、デメリットがあります。従来法では飛び出た椎間板ヘルニアの取り残しがあったり、骨棘(骨のトゲ)が多少残っても、固定をすることで痛みは取れる。一方、頚椎人工椎間板置換術では、取り残しなどがあれば、症状がすっきりせず再手術が必要となることもあります。また、人工椎間板が適応となるための決められた条件を満たす患者さんしか、頚椎人工椎間板置換術を受けられません」
海外では10年以上前から頚椎人工椎間板置換術を実施しているが、日本では慎重を期すために、治療を行える医療機関や医師には、いくつかの基準が設けられている。実施している医療機関は、日本脊髄外科学会および日本脊椎脊髄病学会のHPで調べられる。
なお、腰のヘルニアにも以前、ヨーロッパやアメリカで人工椎間板が行われていたが、症状が期待していたほど取れず、また器械が荷重に耐えられず摩耗や破損が多く見られたため、現在ではほとんど使用されなくなってしまった。
前方除圧固定術も頚椎人工椎間板置換術も、手術時間や入院期間は同じ。だいたい2時間の手術で、数日の入院だ。