インプラントの「保証」が逆に患者を縛る制約になる場合も
【Q】インプラントに保証ってありますか?
【A】インプラント治療は自由診療ですので、保証をつける歯科医院も数多く存在します。その医院で埋入したインプラントが外れてきたり、上部構造(かぶせ物)が割れたりしたときに無償で修理したり、インプラント自体を埋入し直すサービスです。
ただ、そこには多くの問題があると言わざるを得ません。たとえば、保証期間中は必ず月に1度、検診を受けなければならず、それを一度でも怠ると保証が消えてしまうとか、そもそも保証を受けるために追加で高額な料金が発生するとか……。あえて歯科医師サイドから考えれば、埋入したインプラントをキチンと使っていただけているのならよいのですが、むちゃくちゃな扱いをして壊れたものまで保証するのは理不尽な話なので、こういうルールを作るところがあるのでしょう。しかし、その保証が逆に患者さんをより理不尽に縛る制約になってしまう可能性もあるのです。
セカンドオピニオンを求めて来院された31歳の女性がいました。すでにインプラントが3本入っていましたが、「もう1本埋入しなければ」と主治医から言われ、僕に意見を聞きに来たのです。しかし詳しく話を聞くと、本当の問題点は4本目が必要なのか否かではなく、「ただでさえ高額なインプラントの本数を、さらに増やそうとするその医院に不信感を覚え、もう行きたくない」ということでした。