のど<上>加齢とともに衰える…「のどトレ」の正しいやり方
「発声能力テストの平均値は、男性は約30秒、女性は約20秒です。のみ込む力が弱くなると、発声時間も短くなります。のど年齢テストは、5回以下では誤嚥性肺炎のリスクが高くなるので要注意です。高齢になるほど空嚥下しにくくなるのは、のどの老化とともに唾液の分泌量が減るからです。肺年齢テストは呼吸筋のトレーニングにもなるので、週に2~3回行えば肺機能がだんだんアップしていきます」
3つのテストで自分ののどと肺の能力の程度が分かったら、次は具体的な「のどトレ」のやり方だ。大谷院長はこれまで、のどや肺の機能の老化を防ぐ効果的な方法を考えてきた。それで結論に至ったのが、声を出すことで関連する筋肉を総合的に鍛えることが、最も簡単で効果的なのどや肺のトレーニングになるということ。来院する患者たちにも勧めているのは「音読」だ。
音読のテキストとして用いるのは、大きな声で気持ちよく発声できれば何でもいい。名作、古典、お経など、お気に入りの本1冊を毎日少しずつ音読するのでもいい。
「音読トレーニングの目安とする時間は、1回1分、朝昼晩の1日3回(1日3分)です。もっと長く音読しても構いません。無理なく続けられるためにハードルを低く設定しています。重要なのは毎日、短時間でもコツコツと継続することです」