【肛門】病気を防ぐ 意外に知らない正しいウンチの仕方
「痔」に代表される肛門の病気を防ぐには、正しい排便習慣が重要になる。しかし、排便は個室で済ませることなので、間違った排便の仕方をしている人が意外と多い。トイレの中の理想的な所作を知っておくことが、肛門を守るケアになる。
便意は、基本的には朝起きて午前中に催す。どうしてなのか。何回もトイレに行きたくなるのは、腸が弱いのか。「東肛門科胃腸科クリニック」(東京都渋谷区)の東光邦院長が言う。
「朝起床して、体を起こしただけでも、『起立反射』によって腸が動き出して便が直腸に送られるので、便意を催します。朝食後も、胃に水分や食物が入ると腸が動き出す『胃結腸反射』によって、便意を催すことが多い。基本的には飲食すればトイレに行きたくなるので、1日3~4回行っても普通です。大事なことは、便意があったら我慢しないこと。その都度、排便することです」
便意を我慢すると、排便リズムが狂って便秘になりやすい。便秘になると、「いぼ痔(痔核)」や「切れ痔(裂肛)」になりやすい。
特にいぼ痔は肛門の血管がうっ血することで起こるので、無理に出そうとして息むのがよくない。朝、トイレで新聞やスマホを見ながら長い時間、便座に腰かけている人もいるが、痔になるリスクが高くなるので要注意だ。