新型コロナウイルス 従来型との違いは「遺伝子の構造」
別の見方をすると、薬の標的として遺伝子は有用といえます。ウイルスにあって、ヒトにない遺伝子(もしくはそれをもとにできるタンパク質)を標的とした薬は「分子標的薬」と呼ばれ、ヒトに影響することなくウイルスだけに効果を発揮することができるからです。
実際、抗ウイルス薬にはいくつも種類がありますが、いずれもウイルス特有の遺伝子を標的にしています。ただし、ウイルスはヒトの細胞の中に入っているため、いったんウイルスが体内に入ると薬が届きにくいという問題や、ウイルスは変化するスピードが速いため、薬が効かない「新型」が出てきやすいという問題があるのです。
ですから、いくら効果的な薬があったとしても、まずはウイルスを体内に入れないように予防することが何よりも大切です。