改めて知りたい…なぜ日本で医療崩壊が危惧されているのか

公開日: 更新日:

 世界一の病院数とベッド数を誇る日本の医療。人口で日本の2.5倍の米国の病院数は6146施設に対して日本は8372施設もある。病床数が20未満の診療所のベッド数も含めると1万5306施設だ。しかも、4月14日時点での新型コロナウイルスの感染者数と関連の肺炎による死亡者数は日本は感染7645人(死亡109人)に対して、米国は同58万人強(同2.3万人超)、イタリアは同16万人(同2万人)。圧倒的に低い。それなのになぜ医療崩壊が叫ばれるのか。東邦大学名誉教授の東丸貴信医師に解説してもらった。

■実は少ない集中治療室と医師・医療スタッフ

「日本の重症患者の受け入れ体制は皆さんが想像している以上に脆弱なのです。例えば、日本の集中治療室の総ベッド数は6500床に過ぎません。一方、ドイツは2.5万床以上、米国は10万床です。しかも、日頃から高度医療や救急医療を受ける患者数が多いため、新たな重症患者を収容できるベッド数は1000床にも満たないのです。人材不足の問題もあります。例えば普通のICUは2対1看護なので、重症化した新型コロナウイルス感染症患者1人に対し2人の看護師が必要になります。ICUのベッド数があっても人手が足らずそのすべてを稼働することはできないのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…