子宮頸がん 日本で30~40代女性に増加している理由とは?
「これは、異常としかいいようがない低さ。9価ワクチンは子宮頚がんを90%予防できるといわれています。結果、日本以外の国では子宮頚がんの発症者が減り、将来的には“過去のがん”になるとみられています。例えば接種率の高いオーストラリアでは子宮頚がんの罹患率が10万人当たり7人を切り、2066年には10万人当たり1人になると推測されています。一方、日本の罹患率は10万人当たり14人です」
■「日本は大幅に遅れている」
積極的勧奨とならないのは、HPVワクチンの副反応が問題視されているからだ。
しかし、3万人対象の大規模調査(名古屋スタディ)で、副反応とされていたさまざまな症状はHPVワクチンと無関係であるという結果が出ている。すべてのHPVワクチンに対し、WHOは「安全上の問題はない」としている。
HPVワクチンを打たなくても、検診で早期発見できればいいのでは……という声もある。
しかし早期発見であっても、治療で将来の妊娠時の流産や早産のリスクが高まる。「現在は子宮頚がんではないが、この先はがん化するかもしれない」という「異形成」が検診で見つかった場合、3~6カ月ごとの定期検診が必要で、がん化が見つかるまでずっと続く。