ヒトパピローマウイルス感染症<4>「心配なのは子宮頸がん」
目下、世界中を震撼させている新型コロナウイルスは、時期が来たらいずれ終息する。
しかし、性感染症のひとつであるヒトパピローマウイルス(HPV)は、これといった治療法もなく、セックスを行う限り、消滅することはない。
今年1月末、東京・新宿区内の総合病院で「ヒトパピローマウイルスの感染」と、診断されたOLの岡本昭代さん(仮名=40)は、担当医師から、「経過観察をしますので、3カ月後あたりにもう一度来てください、と言われました」と語る。
初診からそろそろ3カ月を迎えようとしているが、岡本さんは病院を訪ねることに二の足を踏む。
前回、子宮頚がんの細胞診で、子宮がブラシのようなもので削られたとき、男性医師から、局部を診られたことに恥じらいを感じているのだ。
さらに勤め先の不動産会社の同僚たちに、再三、有給休暇を取ることで、病名が知られてしまうことも恐れている。
「ただ不安は、現在、お付き合いをしている彼に、感染させてしまう心配がありました。そしてもうひとつは、『子宮頚がん』です」